EU(欧州、ヨーロッパ)の法体系
はじめに
本記事は、EUの法律の体制を簡易的に理解しておくことで、今まで皆様が業務で問い合わせされていた法令がどのようなものかを把握し、少しでも法令についての苦手意識が軽減することを目標とします。
EUの法体系の基礎知識
EUの法令は1次法を頂点とし、2次法、判例の順で、ピラミッド型で制定されています。
一次法(条約)
EUの基本条約を指します。。
EC条約、ニース条約、アステルダム条約、ローマ条約等があります。
二次法(共同体立法)
1次法を根拠に制定された法令です。
皆さんがEUに向けて輸出する際に守らなければいけない規制類はこの2次法で、大きく分けて5つの区分があります。
重要なため、後ほど説明します。
判例
EU司法裁判所の判例を指します。(先例に拘束されるわけではない)
二次法の中の法体系
皆さんが、よく聞く法令はこの章になります。
そして、この二次法の中にも5つの階層があり、ピラミッドの体系で法整備がされています。
それが、下記図の通りです。
規則(Regulation)
全加盟国の政府、企業、個人に直接適用され、法的拘束力を持ちます。
(各国では変更不可。)
例えば、REACH規則⇒EUの化学産業に関わる人の健康と環境の保護の為、成形品に含まれる化学物質の有無等の情報の把握を要求すること等
指令(Directive)
各国が国内法に置き換えて、適用を行い、法的拘束力を持ちます。
加盟国の政府に対しては、政策目標や実施期限が定められ、直接的な法的拘束力を及ぼします。企業や、個人に対しては直接適用されません。
決定(Decision)
特定の加盟国の政府、企業、個人に対して直接適用され、対象加盟国には法的拘束力をもちます。
勧告(Recommendation)
欧州委員会が表明するものです。原則として、法的拘束力はありません。
意見(Opinion)
特定のテーマについて欧州委員会、欧州理事会、欧州議会等の意思を表明するものです。原則、法的拘束力はありません。
最後に
いかがでしたか。
EUの法体制を理解することで、今後の業務の一助になっていることを期待します。
今後も本ブログにて共に勉強していきましょう。